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Twitter: @taisho6339

フルリモートで3ヶ月働いてみた振り返り

概要

請負契約2件、準委任契約で1つの会社にフルリモートでコミットさせてもらってからしばらく経ったので、 賛否両論あるリモートワークについて、やっていてよかったことや課題感について整理する。 ここでやった施策が本当に良かったのか?という点については取引先からフィードバックがもらえるわけではないので判断が難しいが、 契約更新&短期間での単価上げ交渉に成功したので、今のところ価値を出せていると判断してまとめる。

フルリモートをする上で起きる課題

自由な働き方の代名詞とも捉えられるフルリモートだが、実際に運用してみるとかなり難しく課題もある。 私自身運用に乗り始めたなと感じるまで2ヶ月以上費やしている。 フルリモートでは主に コミュニケーション不足 が引き起こす3つの課題がある。

  • 認識のズレ
  • 伝達の漏れ
  • プロジェクトで空気になりがち
  • 自律して安定した生産性を出すことの難しさ

である。

認識のズレ

フルリモートでは基本チャットベースの会話になることが多い。 コミュニケーションも最低限になりがちである。 そうなると仕事を任されたときに、「どんな目的で」、「何をしなくてはいけなくて」、「どのくらいの期間で」といった認識が、仕事を振る人と食い違うといったことが増えてくる。 時間をかけたのにもかかわらず、やってほしいことと全然違うことをやってしまった、やりすぎてしまった、となっては手戻りのムダや、作り込みのムダが発生してしまう。

認識のズレへの対策

必ずふわっとした要求を受けたときは特に、

  • 目的
  • 実施方針
  • 期間

をこちらで整理して仕事を始める前に提示することで認識齟齬のムダが起こらないようにした。 また、実際に走り始めた後も、少し複雑なタスクに関しては少し出来上がった時点で30点版の出来でもいいので見てもらい、認識あってるよね、というのをざっと確認してもらった。 これによって認識齟齬をかなり未然に防ぐことができた。

伝達の漏れ

ここでいう伝達というのは、こちらから共有することとこちらにおろしてほしいことの両ベクトルの意味の伝達である。 新しく仕事に参画するとまず知らないことがたくさん発生する。 ただ待っていても誰も自分にとってほしい情報を都合よくおろしてくれるわけではないし、こちらから何も発信していかなければただただ空気となり、何をやってるのかわからない、仕事がわかってるのかもわからない、マネジメントコストのかかるお荷物になってしまう。

伝達の漏れへの対策

やったことは下記である。

  1. 自分がプロジェクトに参画してすぐに価値を出すために必要そうな情報のテンプレートを作って、それを元に色々聞くようにしている
  2. 毎日今日やること、今日やったことを報告するようにしている
  3. 大きめの仕事をやるときは適宜状況報告と何をしてほしいかを伝えるようにしている

1の情報のテンプレートの例は下記のような感じである。

- プロジェクトの目的
    - 何を作るのか?
    - 誰向けの製品か?
    - いつまでに開発するのか?スケジュールは?
    - 品質、コスト、スピードの優先順位は?

- 作っている製品について
    - プロダクト仕様
    - システム構成、アーキテクチャ
    - SLA

- 一緒に作っていくメンバー
    - どんなロール?
    - どんなスキルセット?

- 今プロジェクトはどんな状況なのか?

- 開発プロセス
    - プロジェクト管理
    - 設計、実装方針
    - CIまわり
    - ドキュメントや資料などはどこ?

- その他困っていること、困りそうなこと

プロジェクトで空気になりがち

言われたことをただただ消化するだけに甘んじているとプロジェクトで空気のような存在になってしまう。 そこで自分は上のテンプレートを元に聞いた情報から必要なこと、足りないことを考えて、無邪気になんでもチャットで発信するようにしていて、そこで「あーたしかに必要かも」となったら、積極的に自分が巻き取ってやるようにしている。 これによって、インプットを受けてただ単純なアウトプットを出すだけの関数おじさんになることを避けている。

自律して安定した生産性を出すことの難しさ

自宅で仕事をするので、いろんな誘惑があり、集中を妨げてくる。 オフィスに出社すれば強制的に仕事をせざるを得ないが、自宅だと自由な分自分で律する必要がある。

自律して安定した生産性を出すことの難しさへの対策

自分は何度もTry&Errorを繰り返し現在は下記の方針にすることで安定して仕事をすることができている。

  • 必ず10時半から業務を開始し、19時半には業務を終了するようにする
  • 基本的にはポモドーロテクニックを使って仕事をし、ポモドーロの時間になるべく沿って活動する(休憩時間を伸ばしたりしない)
  • 眠くなったらコーヒーをいっぱい飲み、30分だけ仮眠する(1日3回までやっていい)
  • 12時半までには就寝し、8時半までには起床する(睡眠時間は必ず6時間以上にする)

これによって、最初は一日6ポモドーロ程度しかさばけなかった状態から、平均12ポモドーロまで引き上げることができた。

まとめ

フルリモートだからこそ主体的に考えて動くことが重要で、これができないのであればコミュニケーションが減る分不利になるので、出社するべきだろうなと思う。 基本的にはリモートワークは、うまく運用に乗ることができれば可処分時間が増えて勉強や趣味にあてたり、恋人や家族との時間も増え、ムダに周りを気にして精神的に疲弊することもずっと少なくなるので幸福度があがっていいと思っている。 これからもやっていきたい。