2021年の振り返り
今年は結婚、LINEへの転職を経て、自分にとって大きな転換期となる年でした。 今年も例年と同様に振り返り、来年の糧としたいと思います。
LINEでの仕事のスタート
今年1月からLINEに入社してPrivate Cloudを作る部署のSREとして仕事をはじめました。 背景についてはこちら。 https://taisho6339.hatenablog.com/entry/2020/12/31/191912
Private Cloud開発者用の横断Platformを開発、運用する、というミッションを担い、 専らログ基盤の構築に邁進してきた一年でした。 Managed Fluentdの提供や、Fluentdを管理するためのKubernetes Operatorなどを作ったり、 Grafana Lokiを使った20 TB / day規模の大規模ログモニタリング基盤を構築したり、 なかなかにアグレッシブな仕事ができました。
※具体的な内容については下記にて発表させていただきました。
Reliable Log Aggregation System in Multi-Tenant Kubernetes cluster
Grafana Lokiで構築する大規模ログモニタリング基盤
フリーランスから転身してみて
結論から言うとLINEに入社して良かったと思っています。 現在の僕のロールはシニアソフトウェアエンジニアなので、 部署を横断した価値提供や、よりハイレベルな要件下でのシステムデザイン、開発、運用が求められます。 そのため要件整理から各所への合意形成、そして開発リリースまで一貫して、裁量を与えられて仕事をさせていただきました。 技術的にも、ただ既存のミドルウェアやライブラリなどを使えば済むような要件はなく、 内部動作や場合によってはソースコードレベルで理解していないといけないようなレベルの仕事も多く、 ソフトスキル、技術スキル両面で大きく前進できた一年だと思っています。
最もOSS活動に勤しんだ一年
そして今年は、人生で最もOSSプロダクトに真剣に向き合った年になりました。
今回LINEの仕事でGrafana Lokiを使うに辺り、 かなり気合いを入れて、検証、内部動作理解に努めてきました。 結果、のめり込むほど面白さを感じ、 本体のコードに10個ほどContributeしたり、
https://github.com/grafana/loki/pulls?q=is%3Apr+author%3Ataisho6339+is%3Aclosed
いろんな国のユーザとSlackやIssue上で議論したりしていました。
クエリシャーディング、レプリケーション、キャッシュ、クラスタリング、Consistent Hashなど、 分散システムの基本的な仕組みを愚直に組み合わせることで、 S3のようなほどほどなレイテンシの安価なストレージ上で、 高速にリアルタイムなデータ検索を実現しているアーキテクチャにロマンを感じました。
Lokiのことが好きになりすぎてファンブックのようなものまで作ってしまいました。
今後のキャリアについて思うこと
もともと「コンピュータサイエンスをゴリゴリに意識しないと成果を出せないエンジニアリング」にとても強い関心があり、 そのためアプリケーションレイヤから徐々に下周りのレイヤに降りるようにキャリアを開拓してきました。 特に最近はそういったレイヤはうまくクラウドやライブラリ、フレームワークで抽象化されているため、 いっそそれらを作ることに関心を持ち始めました。 そして今回のGrafana Lokiでの活動を通して、 自分もLokiのような分散アーキテクチャなソフトウェアを作る仕事をしてみたいという気持ちをとても強くしました。
日本でいうとやはりポジションは少ないのですが、 英語さえクリアできればそういったポジションもたくさんあるのだということが実感として感じることができ、 もっと気合を入れて長い目で継続して英語をやっていくぞ、という気持ちになりました。
今年のアウトプットまとめ
登壇
OSS活動
本
ブログ
https://taisho6339.hatenablog.com/archive/2021
来年に向けて
来年は今年以上に、英語、OSS活動、低レイヤの開発をテーマに邁進していこうと思います。