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Twitter: @taisho6339

2024年の振り返り

早いもので2024年が終わってしまいました。今年も自分の考えていることの記録のため、振り返りをします。

お仕事

今年やってきたこと

今年から1段レイヤを上げてStaff Software Engineerのような仕事を始めました。主に「チーム全体で面白い仕事で良いアウトプットを出せるようにすること」と「組織横断の取り組み」にフォーカスするようになりました。

前者は技術的に面白くビジネス的にもROIの高い施策を起案し、簡単な方針とデザインを作り、信頼のおけるメンバーにあとを託して自分はレビューやサポートに徹しました。

後者については、別組織にアクティブにシステムモニタリングに関する課題感や我々のプロダクトに対する意見をヒアリングしに行ってそれをロードマップに反映したり、社内の他のプラットフォームとの統合を推進するために各組織の要件を明確にして整理し、ガバナンスを定義して上手いこと連携できるように努めてきました。

Staff Software Engineerというキャリア

私の場合は横断組織にいるわけではなく、あくまでも一つのプロダクトチームの中にいるロールとしてのStaff Software Engineerです。この立場だととにかく自分からアクティブに仕事を定義し、他の組織の人々にコミュニケーションを取りに行かないと何もできません。実際にやってみると昔と違って対人恐怖がなくなっているので比較的楽しんでやれるなと感じた一方、まだまだゴリゴリプロダクト開発もしたいという気持ちと常に戦っていました。StaffにならずにあえてSeniorで止める人も多いという話も納得感を感じました。

また、プロダクト付きのStaff Software Engineerは常に需要があるわけではなく、フェーズによって必要になったりならなかったりしそうだなということが分かりました。例えば今はプラットフォームの統合プロジェクトがあるのでこういう動きが必要ですが、このあとは必要なくなるのかもしれません。ずっとこういう仕事がしたいならプロダクトチームの中にいるのではなく、やはり複数チームを見るポジションにつくのだろうなと思います。

いずれにせよ、これを続けるか否かは冷静に考える必要がありそうです。

登壇

今年もいくつか登壇させていただきました。特にKubeDay Japanでは初めて英語で発表させていただき、海外のエンジニアとも交流することで良い刺激になりました。会社の英語の先生にも英語プレゼンの良いアドバイスをたくさんもらったので今後に活かします。

  • Scaling Time-Series Data to Infinity: A Kubernetes-Powered Solution with Envoy - Hiroki Sakamoto


ポッドキャスト

友人とポッドキャストを試しにやってみました。アラサーエンジニアのキャリアのお悩みを雑に話す感じでしたが、意外と反響があったので近いうちに続編をやりたいです。

https://x.com/taisho6339/status/1839277685077573646

リモートワーク廃止について

会社からプレスが出て色々と世の中で騒がれていますが1社員としては家庭の都合上とても困っています。ただ、会社は株主の持ち物なので株主や経営者の判断であれば1従業員としては受け入れざるを得ないのかなと思っています。社員の福利厚生や働き方を重視するのも結局は経営上都合が良いからであって、今回の判断もおそらく何らかの合理性によってされたのだと思います。私の立場からはそれが分からないので、良いことなのか悪いことなのかわかりません。結局は自分と家族にとって最善の選択をするしかないと思っています。

来年の抱負

実はJAISTへの博士前期課程での進学を検討していて、もうすぐ入試を受ける予定です。無事に受かることができたら進学したいと思います。理由は、AIが盛り上がってくるこの先の時代で技術者として生きていくためには、潜在的な課題を発見・定義し、課題のアプローチ方法を発想して実現まで持っていくという極めて抽象的なところから具体的なレイヤまで持っていくことが大事だと考えたからです。具体的なレイヤだけしか扱うことができなければそのうちAIに置換されてしまいますし、技術者として面白いことができなくなるかもしれません。このタイミングで研究に取り組んでみることは非常に投資価値が高いと判断しました。頑張ります。